伊勢で最も有名な名物といえば赤福。知名度は東海地方から関西、関東に広がり、今や全国で知られるお菓子になりました。
伊勢出身の僕も赤福は大好き。愛知県での生活の方が長くなった今でもソウル・オブ・スイーツです。
そんな赤福に並ぶ好物がへんば餅。
丸く平らに焼いた米粉の餅は団子のような食感で、自然で優しい味と香りがします。餅の中はこし餡。まろやかな甘みが口の中に広がります。250年間変わらない味。
赤福は名古屋や大阪の駅でも買えますが、へんば餅は伊勢でしか食べられません。伊勢に旅するなら、ぜひ店舗に足を運んでみてください。
今回は、へんば餅の感想、店舗情報、値段などを紹介していきます。
創業は赤福が1707年、へんば餅が1775年
どちらも超老舗です
へんば餅
むかし、伊勢神宮へ向かうには必ず「宮川の渡し」で船に乗り換え、川を渡らなければなりませんでした。また、その渡し場より先は伊勢の「神域」となるため、一切の動物は立ち入りが禁止されており、旅路で乗ってきた馬も皆ここで降りて返さねばなりませんでした。
へんばやホームページ『名前の由来』より
へんば餅は、この馬を返す場所=返馬所(へんばじょ)の近くで食べられたことが由来となり、返馬(へんば)餅と言われるようになったと伝えられています。
『へんばや』のへんば餅。
伊勢市民しか知らなかった銘菓が、口コミで広がり、現在は観光バスが来るまでになりました。へんば餅の消費期限は製造日の翌日まで。毎朝4時頃から作り始めるそうです。
餅の両面には焼き色がついていて、同じ柄は一つとしてありません。たまにハート型や星型になることもあるそう。
餅からは少し甘みのある素朴な香りがし、焼いたところは薄っすらと香ばしさが漂います。苦みはありません。この香りが好きで、1個食べるたびに嗅ぐのが僕の癖です。
食感は団子に似ていて、上品な甘さがあります。
中の餡はこしあん。あんこをメインで食べたい人には物足りないかもしれませんが、量は多くなく、まろやかで優しい甘さです。タイプの違う餅の甘みと絶妙にマッチしていて、くどさは微塵もありません。
へんば餅は、餡を炊き上げたあと冷蔵庫で一日寝かせ、舌触りや甘さを調整しているそうです。
手でつまんでも粘り気が移りません。2つ、3つ、4つ、5つ…と口に運んでしまいます。
へんば餅は必ず2日分買ってきて、餅の硬さの変化を楽しんでいます。当日の餅は柔らかくて伸び、2日目の餅は少し硬くなって噛み応えが増す。餡の味も少し変わり、2日間とも楽しめます。
それと、2日目の分をフライパンで軽く焼くと、柔らかさが戻って香ばしさが増します。餡が熱くて火傷しそうになりますが、この味もまた格別です。
風情ある『経木』がお得
よく買うのは、経木に包まれた10個入を2つ。箱入りで20個入がありますが、経木10個入を2つ買う方が100円安いです。自分用ならこの買い方がお得!
経木 [きょうぎ]
スギ、ヒノキ、マツ等の針葉樹を紙のように薄く削った包装材のこと。へんばやでは松の木から作られた経木を使っています。
経木からは木の匂いがして心が落ち着きます。安いだけではなく、昔っぽい風情を感じるのも経木の特徴です。
中の袋は5個で1パックになっていて、パックごとに消費期限が印字されています。
へんば餅の紙袋を開けると、小さな紙が1枚入っています。いつも同じ文言ですが、奥ゆかしく謙虚な一言を見習いたくて毎回読んでいます。
今を去る二百余年前、安永四年(1775年)に私より九代前の先祖が参宮街道宮川のほとりに茶店を設け餅を商いはじめました。当時駕籠 [かご] や三宝荒神 [さんぽうこうじん](馬上に三つの鞍を置いたもの)で参宮する人達がこの店に憩われて、ここから馬を返し参宮されたため何時 [いつ] しかへんば(返馬)餅と名づけられ今日に及びました。
美味とは申せませんが風情ある田舎の名物としてご賞味願い上げます。
人に配るなら個包装が便利
職場へのおみやげや催事などで、1個ずつ配れる個包装もあります。少し取り出しにくいですが、中身は同じです。(やや餅が硬い気もしたけど)
個包装も消費期限は製造日を含めた2日間です。
へんば餅の値段
税込価格
- 2個入
-
180円
- 10個入(経木)
-
900円
- 15個入(箱)
-
1,450円
- 20個入(箱)
-
1,900円
【個包装】
- 1個
-
100円
- 12個入
-
1,300円
- 16個入
-
1,700円
- 5個入
-
550円
- 14個入
-
1,500円
- 18個入
-
1,900円
へんば餅の栄養成分表示
エネルギー | 102kcal |
たんぱく質 | 1.5g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 23.7g |
食塩相当量 | 0.01g |
原材料
上新粉(国内産)、生あん(小豆)、砂糖、還元水あめ、食塩、トレハロース、酵素(大豆由来)
小麦・卵は不使用
さわ餅
2個入…320円(税込)
5個入…800円(税込)
さわ餅は伊勢志摩地方の郷土菓子。松阪市でも親しまれています。
正方形にカットした餅に餡を挟んだだけの素朴な餅。
初めて食べる人でも、田舎の温もりと香り、どこか懐かしさを感じます。
緑色はよもぎの色。
みんなで分け合うのに便利な個包装です。
へんば餅よりも餅がしっかりしていて噛み応えがあります。へんば餅に慣れていると少し硬い印象を受けますが、これはこれで美味しいです。
口に入れてすぐは「よもぎ感」が少ないですが、噛んでいると自然な香りがフワッと口の中に広がります。伊勢茶との組み合わせが最高。
さわ餅の消費期限は当日中。
へんば餅より製造量が少ないようで、昼過ぎに売り切れることもしばしばあります。
へんば餅はどこで買える?
売っている場所
へんばや商店の店舗は伊勢市内に4つあります。
車で行くなら宮川店、電車で行くなら伊勢市駅前店かおはらい町店が便利です。
営業時間内でも売り切れることがよくあるのでご注意を。
へんばや本店
へんばや本店 | |
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営業時間 | 8:00-17:00 イートイン9:00-16:00 |
定休日 | 月曜日 祝日の場合は翌日が休み |
住所 | 〒519-0501 三重県伊勢市小俣町明野1430-1 |
電話番号 | 0596-22-0097 |
駐車場 | 約10台 |
公式HP | henbaya.jp |
明治初期の面影を残す風情ある店。店内には創業当時のものとされる『三宝荒神[さんぽうこうじん]』(馬につける蔵)が展示されています。 近鉄明野駅から徒歩約10分 |
おはらい町店
おはらい町店 | |
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営業時間 | 9:00-17:00 イートイン9:00-16:00 |
定休日 | 月曜日 祝日の場合は翌日が休み |
住所 | 〒516-0026 三重県伊勢市宇治浦田1-149-1 |
電話番号 | 0596-25-0150 |
駐車場 | なし |
内宮の門前町『おはらい町』にあります。昔のお休み処を再現した店。赤福本店から徒歩1分。同じ並びにあります。正月は16時前に売り切れることも。 |
伊勢市駅前店
伊勢市駅前店 | |
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営業時間 | 9:00-17:00 イートイン9:00-16:00 |
定休日 | 月曜日 祝日の場合は翌日が休み |
住所 | 〒516-0074 三重県伊勢市本町17-16 |
電話番号 | 0596-72-8688 |
駐車場 | なし |
外宮の最寄り駅『伊勢市駅』から徒歩3分。外宮参拝前の腹ごしらえ、参拝後の休憩に。 ※へんば餅のみ販売 |
宮川店
へんばや宮川店 | |
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営業時間 | 8:00-17:00 イートイン9:00-16:00 |
定休日 | 月曜日 祝日の場合は翌日が休み |
住所 | 〒515-0505 三重県伊勢市西豊浜町342-1 |
電話番号 | 0596-37-0951 |
駐車場 | 約20台 |
車でアクセスしやすく、バスツアーも立ち寄ります。工場併設で和モダンな建物。いそぽんが通った店です。 |
車で行くなら宮川店が便利。伊勢に帰省したときによく利用するので紹介します。
目印は、国道23号線 西豊浜町3の交差点に建つ看板。名古屋方面からは左側、伊勢神宮方面からは右側に見えます。
宮川店は駐車場完備。場内は買い物客が歩いているので注意しましょう。正月は混み合って車の入れ替わりが激しいです。満車のときは、となりにある広い駐車場を利用しています。
宮川店は工場併設。他の3店と違って和モダンな造り。駐車場からは壁越しに工場内を見ることもできます。
入口のさらに先は庭になっていて、トイレと喫煙所があります。綺麗に清掃されているので、ドライブ前にほぼ100%お借りしています。
正月の行列はへんば商店の風物詩。イートインより持ち帰る人が圧倒的に多いので、回転は早いです。もちろん、イートインスペースで旅の疲れを癒やすのもいいでしょう。(正月は落ち着かないかも)
車で行くなら宮川店が便利!
へんば餅の通販
期間限定で地方発送
伊勢でしか買えなかったへんば餅も、今は期間限定で地方発送できるようになりました。
へんば餅の地方発送 | |
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期間 | 11月~4月頃 年末年始は中止 |
消費期限 | 到着日 |
注文方法 | 電話のみ 10:00-15:00 0596-22-0097 |
支払方法 | 代金引換のみ |
料金 | ・商品代金 ・送料 ・代引き手数料 |
備考 | 地域・天候によって商品到着日が消費期限を過ぎる場合は対応できません。詳しくは電話でお問い合わせください。 |
美味し国伊勢へおいない!
(方言で来てねの意味)
いそぽん(@isopon11)でした。
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