
あえて都市化を進めないハワイ島では、自然を楽しんだり見たりするツアーがいろいろあります。中でも特に人気があるツアーが、マウナケア山頂で見る星空観測ツアー。
人気の理由は、マウナケアが他の観光地にはない特別な存在だからです。
いそぽん家がツアーに参加した日は残念ながら天候に恵まれず、綺麗な星空を見ることはできませんでした。それでも、マウナケア山頂に行けたのはいい思い出。ぜひ次回は満天に輝く星を見たいと思います。
というわけで、今回はマウナケア山頂に車で行く星空観測ツアーのレビューです。
マウナケア山頂ツアーの参加条件
マウナケアの標高は4,205m。富士山の3,776mより400mも高い山です。そのため、年齢や持病、ツアー開始前の行動に制限があり、誰でも参加できるわけではありません。
参加条件はツアー会社で異なります。日本人向きのツアー会社は次の2つです。
- 年齢制限
16歳以上79歳以下 - 体調の制限(参加不可)
妊娠中、心臓疾患、呼吸器系疾患、高血圧 - ツアー開始前の行動制限
24時間以内のダイビング不可
8時間以内の飲酒
- 年齢制限
13歳以上は参加可能
健康であれば80歳以上も可(医師への相談推奨) - 体調の制限(参加不可)
妊娠中、心臓疾患、呼吸器系疾患、高血圧 - ツアー開始前の行動制限
24時間以内のダイビング不可 - ツアー後の行動制限
参加後12時間以内の飲酒
マウナケアは行けるときに行っておきたい場所ですね。

マウナケア山頂まで行くツアーと麓までのツアーがあるのでご注意ください。年齢など参加条件が合わない場合は、ハワイ島の観光名所を巡ってからマウナケア麓に行くツアーがおすすめです。
マウナケア山頂の特別と格別

星空観測ツアーに興味がなかったいそぽん夫婦が、マウナケアには行きたいと思った理由はこちら。
- 富士山より高い山に車で行ける
- 世界遺産に登録されている
- 世界中で天体観測に最も適した場所の一つになっている
富士山の頂上にも行ったことありません。「高い場所ってどんなだろう?」そんな好奇心が芽生えました。
そして、そんな高い場所でも車で行けて、しかも世界遺産に登録されている。行く理由はこれだけで十分でした。
星空観測にした理由「天文台が多い=空がきれい」

星空観測ツアーにしたのは、空が格別にきれいだからです。天文台や巨大望遠鏡がたくさんあるのは空がきれいだからでしょう。
マウナケアは世界で天体観測に最も適した場所の一つと言われています。
- 空気が薄く乾燥していて空気中に不純物や水蒸気が少ない
- 大気が安定している
- 周辺に大きな街や民家がなく人工の光に邪魔されない
- 空が暗い
- 晴天率が高い(年間約300日が晴れ)
- 低緯度(北緯20度)で南と北の天球の多くを見ることができる
情報を探れば探るほど、深みにはまる難しそうな理由。要は、天体観測にとってこれほど好条件な環境は世界でも珍しいということです。実際にマウナケアの頂上には、世界の天文機関11か国13基の天文台が設置されています。
世界の専門機関が多額の費用を投資してまで行きたがるマウナケア山頂。他の観光地とは違う星空を見られる場所なのです。

世界に誇る日本の天体観測用望遠鏡「すばる」があるのもマウナケア山頂ですよ
マウナケアのことを調べるほどに「もう行っておかないと後悔しそうな場所」に思えてきて、ツアー
【ツアーレビュー】天候に恵まれなかったけど行って良かったマウナケア
ツアーのレビューです。先に言っておくと、天候に恵まれず満天の星は見られませんでした。年間約300日晴れなのに…。でも、めちゃくちゃいい体験ができました。
集合場所やピックアップの仕方、途中に寄る場所はいそぽん家が参加したときから変更になっています。詳細はツアーの予約ページ



思い出記事なので、どうでもいい画像も掲載しています
オニヅカ・ビジター・インフォメーションセンター


マウナケアは標高4,200mもあるため、麓にあるオニヅカ・ビジター・インフォメーションセンターで必ず体を慣らします。時間はおよそ90分が目安。この場所ですでに標高は2,800m。慣らしをしておかないと、高山病になるリスクが高くなります。


センターの名称は、1986年のチャレンジャー号爆発事故で亡くなった日系三世のエリソン・ショージ・オニヅカ大佐(日本名:鬼塚 承次)から命名されています。
ツアーではここで軽食が出ます。食べ過ぎない程度にエネルギーをチャージしておくのも重要。
オニヅカ・ビジター・インフォメーションセンターの建物は大きくはありませんが、お土産コーナーがありました。トイレもあります。


せっかく90分もあるので、軽く周りを散歩してみてください。ここから見える景色も絶景。空・山・茶色の土だけの風景が新鮮です。別の星に来たかのようでした。
トイレの左手にどこかに通じる門が。


入ってはいけなさそうな雰囲気。ガイドさんに聞いてみたら入っても大丈夫とのことでした。



この先にあるものは、触れたり踏んだりしてはいけません
少し進むと、左手に不思議な人工物が見えます。


ここはハワイアンが祈りを捧げる祭壇とのこと。触れたりせず、遠くから見学。


手前に写っているのは「銀剣草(ぎんけんそう silversword)」。


絶滅危惧種に指定されているハワイ固有種の高山植物です。
十何年かに1度だけ花を咲かし、そのあと枯れてしまいます。
銀剣草には絶対触れてはいけません。人の手が触れると低温火傷状態になりたちまち枯れてしまいます
根を踏んでしまわないよう石で守られていました。


マナーが悪い訪問者もいるらしく、いずれ立ち入り禁止になるかもしれません。このときは、ゴミが捨てられていました。(拾って持っていったらお礼を言われたくらいです)
カイロを使うならオニヅカ・ビジター・インフォメーションセンターで
─ Point! ─
カイロはここで使い始めましょう
この先、山頂に近づくにつれて酸素が薄くなります。カイロが温まりにくくなるので、早めに温めておきましょう。
山頂までとにかく写真を撮りまくる
オニヅカ・ビジター・インフォメーションセンターを出発し、山頂に向かいます。途中で車を降りて写真を撮ったりもしました。



途中で降りる場所は現在と異なるかもしれません
車で走っている間もいい景色が目に飛び込んでくるので、いつでも撮影できるようにしておきましょう。


平地では晴れ男と晴れ女のいそぽん家。なぜか山に行くとかなりの確率で曇か雨が降ります。今回も厚い雲がかかってしまいました。
雲が下に見えると、高いところに来たなぁとドキドキ。
間近に見える雲海に興奮。
このあたりで既に「綺麗な夕陽はムリっぽいなぁ」と感じていました。でも、見たことのない風景を見るのが楽しくて、残念な気持ちはあまりなかったです。少しはありましたけど。
マウナケア標高3,100mから見える景色
たぶん標高3,100mくらいの地点で下を見下ろした景色。


これくらいの高さまで来ると、眼下に雲が広がっていたり、雲の中に自分がいたりしておもしろい。
そういえば、歩いて登っている人もいましたよ。こんな場所まで車で連れてきてもらえることに感謝です。
上の画像と同じ場所で撮った写真。見る方角や角度でまったく違う景色が広がります。


上の黒い雲が憎らしいけど、お気に入りの写真。
ここも同じ場所。同じ場所でもいろんな方角を見るといろんな景色を楽しめますよ。


オニヅカ・ビジター・インフォメーションセンターでは半袖だったのに、長袖とカーディガンを羽織るようになりました。ジーンズが冷たいです。
ツアーでは防寒具を貸してもらえますが、その下に着る温かい服は自分で用意しておきましょう。山頂は0℃前後になります。
標高約3,700m Very Long Baseline Array
高地に体を慣らすため、途中のビューポイントで車を降りて写真撮影。
Very Long Baseline Array(VLBA)/ベリー・ロング・ベースライン・アリーという場所に来ました。


標高は約3,700mです。
アメリカ全土に10台あるパラボラアンテナの1つで、複数のパラボラアンテナを組み合わせて望遠鏡として使うそうです。(Wikipedia)





こういう大きくて無機質なものを前にすると足がすくみませんか?僕は足がガタガタします
厚手のジャケットはツアーで用意してくれていました。11月の月末でまだ雪は降っていませんが、かなり寒いです。
標高4,000m
標高4,000mくらいの場所。


さすがマウナケア天文台群。巨大な天体観測機器がたくさん見えます。右から3つめにあるのが日本のすばる望遠鏡ですね。
こんな光景はここでしか見れません。別の惑星にいるようで不気味にさえ感じます。
カルテクサブミリ波天文台の近くから見たすばる望遠鏡。


いつか屋根がパカッと開くところを生で見たいです。
すばる望遠鏡と記念撮影。


強風で飛んでいかないように看板には穴が開いていました。手や指を通すための穴ではありません。
逆の方角には、各国の巨大望遠鏡。


ここからすぐ近くにあるSMA望遠鏡のストリートビューも、宇宙映画に出てきそうな光景でおもしろいです。
偶然撮れていたほぼ直線だけの写真。


シンプルですごく気に入ってます。
次はいよいよマウナケア山頂です。
頂上に着くまでのポイント
─ Point! ─
- 水分補給をする
- ガイドさんが教えてくれる呼吸法をする
- 風が強いので飛ばされそうなものは持ち出さない
- 空気が乾燥しているため、コンタクトレンズと一緒にメガネも用意しておく



ツアーガイドさんの言うことを守りましょう
標高4,200m マウナケア山頂


ついに山頂。標高は4,200m超え。富士山より高い山に車で登頂。
特別な装備なしでこんな場所に来れて感無量です。
場所はこのあたりだったと思います。
ここでサンセットを観賞。暗くなるまで待ちます。
滞在時間はツアーによって違いますが、山頂は40~60分くらいです。
トイレもありましたよ。


トイレの写真を撮ったり、舞い上がってウロウロしたりしていると、陽が落ちてきました。


雲が多い。でもいい。ここまで来れたことに感動中。


雲がなければ、こんな↓の風景が見られるかも。


雲があっても、明るさを調整すればいい感じの写真に。


肉眼で見えたのはこんな感じでした。↓


撮影モードをいろいろ変えながらいい写真を記念に。
ジャンプは出尽くした感あるけど定番です。


ハートフルなサンセットもいいですね。


太陽を使ってかめはめ波している人もいます。先にポージングを考えておけばよかったです。


マサシのネイチャースクール
星は見えなかった。でも不満をいう人はいなかった
頂上から移動し、星空ビュースポットへ。でも雲が多くて星は見えず。自然のことだから仕方ありません。
コンディションが良ければ、天の川も綺麗に見えるそうです。


ガイドさんは何とか星空を見せてあげたいと頑張ってくれます。場所を変えたり、オニヅカ・ビジター・インフォメーションセンターまで戻ってチェックしてくれたり。でも自然には勝てません。


いそぽん家も他の参加者さんも、ガイドさんが努力してくれているのを目の当たりにしているので、不満を言うどころか笑顔でした。もちろん星空まで見えていたら最高でしたが、無事にマウナケア山頂を体験できただけでもいい思い出です。
ちなみに、ホテルに帰ると空からはすっかり雲がなくなり満点の星空でした。「また来てよ」というハワイ島からの熱烈なラブコールだったと受け取っています。ハワイ島は不器用です。
慣れていないと危険度「高」。山頂に行くならツアーを
個人で行くなら四輪駆動車が必須。ただし、マウナケアは保険適用外になっていることがあります。レンタカーの保険内容をよく確認しましょう。
\運転には細心の注意が必要/
- 山頂に向かう道は急こう配が続く
- 未舗装の道も多い
- 道幅が細く急カーブが多い
- 暗くなると視界が悪い
- 山頂付近はライトの点灯が禁止されている
- 酸素が少なく正常な判断ができなくなる
個人の場合は、海外旅行保険やレンタカーの保証の確認をし、携帯できる酸素吸入器を用意し、マウナケア管理局のガイドライン(英語)も必ず読んでおきましょう。
道を完全に把握しているツアーガイドでさえ慎重に運転しています。特に初めてマウナケアに行く人はツアーがおすすめです。
マサシのネイチャースクール
経験も豊富で、一緒に参加した人の中で体調を崩した人は1人もいませんでした。
マウナケア星空観測ツアーで用意していくもの
防寒具
標高が1,000m上がると気温は約6.5℃下がります。4,000mだと平地との気温差は約26℃です。例えば、ビーチが30℃でもマウナケア山頂は4℃。特に12月~3月は寒いです。いそぽん家は12月に参加しました。
ツアーでは厚手の防寒具を貸してくれるはずですが、予約前に内容を確認してください。防寒具だけでは寒いので、中に着込む服も忘れずに。カイロも役に立ちますよ。
日焼け止め
地上より紫外線を多く浴びます。星空観測ツアーでも移動中に日焼けするので、日焼け止めクリームを塗っておきましょう。
サングラス
紫外線の影響を強く受けるので、あれば用意しておきましょう。サングラスは色ではなく、紫外線カット率で選んでください。
カメラ・スマホ
カメラは使い慣れたものを持って行きましょう。私は慣れていないカメラだったので上手く撮影できませんでした。夜空は普通のカメラやスマホでは綺麗に撮れないので、ガイドが撮影した画像を貰えるツアーもおすすめです。
新月の時がいいらしい
天候が良くても、月の光で星空が見えづらくなってしまうこともあるそうです。旅行スケジュールとの兼ね合いになりますが、新月や新月前の三日月のときがベストタイミングとのこと。
興味がある方は、アロハ魂クマックス「ハワイ島で綺麗な星空を見るために必要な知識」をご覧ください。難しい内容を分かりやすく解説されています。こよみのページはツアー予約の際に参考になりそうです。
最後に、マウナケア(Maunakea)はハワイ語で「白い山」という意味らしいです(マウナ=山、ケア=白い)。


冬はスキーやスノボをしにくる人もいるそうですよ。



マウナケア山頂に行くだけでも価値がある!
いそぽん(@isopon11)でした。
マハロ♪
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