赤山公園の小さな丘に建つ『なごみの塔』は、竹富島のシンボルマークの1つ。
国の登録有形文化財です。
何度も足を運びたくなるような場所ではないですが、竹富島を訪れるなら1度は間近で見ておきたいところ。集落内にあるので、徒歩でも自転車でもアクセスで困ることはありません。
今回は、なごみの塔を紹介します。
なごみの塔

なごみの塔が建てられたのは、戦後間もない1953年(昭和28年)。場所は赤山公園内にある『あか山丘』。通りから見えるのですぐ分かります。
赤山という名称の由来は、この地に居住していた平家の落ち武者『赤山王』らしいです。
そして島の北部には赤山王のお墓が残っています。(Google Map)
なごみの塔の下にある銘文より
文治2年(1185年)壇ノ浦の海戦にやぶれた平家の落ち武者赤山王は遠くこの地に漂着し地の利を占めるここを要害とした(以下略)
※壇ノ浦は現在の山口県下関市

なごみの塔は展望台のイメージが強いですが、もともとは集落への連絡用施設として使用されていたそうです。塔の頂上からメガホンで叫んでいたとか。
すべり台のうしろ半分みたいな形になっていて、人が上れるようになっています。ユニークな形ですよね。

滑るところを付けたら巨大すべり台。

国の登録有形文化財に登録されている
外観から想像できるとおり、階段はめちゃくちゃ急。そして柱は1本。こんな危なっかしいの今は建てられないんじゃないでしょうか。そんな「今では造れない」がおもしろい。
でも来るのが遅すぎたようです。この階段はもう上れません。2015年までは塔の最頂部まで上れましたが、老朽化や安全性の問題から階段は閉鎖されました。

頂上まで8段。1段は幅約45cm、奥行き約16cm。横向きじゃないと足が乗らない狭さ。そのくせ、段差は高くて約35cm。傾斜は約60度と急勾配。このスリルの先には、絶景よりも達成感が待っていたという人も多いそう。

頂上から赤瓦屋根が並ぶ町並みを見ることはできませんが、階段を上らなくても沖縄の伝統的な景観は十分に望めます。

それでも「やっぱり高いところから眺めたいよぉ」となったら、徒歩1分のところに『あかやま展望台』(MAP)があります。2階建ての建物の屋上を展望台にしていて、入場料は100円。

HaaYa nagomicafeが入る建物の屋上が展望台になっている
僕たちは行っていないので詳細は分からないけれど、景色はいいそうです。
なごみの塔の他に見たもの
赤山公園には少し変わった石もありました。案内板がないくらいなので、見どころとまではいかないけれど、当日に思い出したら探してみてください。
星見石
あか山丘の入口に、丸い穴の開いた石が立っています。星見石といって、穴を通して特定の星を観測し、星の位置から農作業の時期を見極めていました。

この星見石は、もともと竹富島のとある畑で使われていたもので、赤山公園が造られた際に移設したそうです。星の見え方など現役当時の様子を知ることができないのは残念ですが、人の目が届くこの場所で保存できて良かったのかもしれません。

太鼓石・石馬・亀の甲台
太鼓石

叩くと音がするそうです。この石の存在を知ったのはこの記事を書いている今です。たまたま撮影していた『篤志顕彰之碑《とくしけんしょうのひ》』(熱心な協力者の功績を称え知らせるための碑)の横に写っていました。なごみの塔の裏側(北側)から公園に入るとあります。
石馬

どこかから移設されたようですが、どう使われていたのか分かりません。この石も『篤志顕彰之碑』の近くにありました。
亀の甲台

なごみの塔の下、登録有形文化財のプレートの前にありました。
なぜここに置かれているのかは分かりません。正面から見るより、この角度から見る方が亀の甲羅のように見えます。
以上、なごみの塔と赤山公園でした。
見どころは塔と町並みくらいなので、所要時間は5~10分くらいです。
施設情報
なごみの塔 | |
---|---|
営業時間 | 24時間 |
定休日 | なし |
住所 | 沖縄県八重山郡竹富町竹富 Google Map ![]() |
入場料 | 無料 |
トイレ | なし |
駐輪場 | 近隣 徒歩1分 Google Map ![]() |
滞在時間 | 10分未満 |
売店 | なし |
公式HP | なし |
アクセス
竹富東港から:徒歩15分、自転車5分
Article author いそぽん
Photo & Experience 2024.11
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