琉球八社巡りで「普天満宮」へ。
レンタカー旅行で気になる駐車場情報、御朱印のいただき方、奥宮拝観の手順、事前のリサーチでは気づけなかったことや不安になったことを紹介していきます。
琉球八社
琉球王国(1429~1879年)時代に、王府から特別の扱いを受けた8つの神社の総称。波上宮・沖宮・識名宮・普天間宮・末吉宮・安里八幡宮・天久宮・金武宮からなり、真言宗寺院と併置されている。首座は波上宮。祭神(さいじん)は、安里八幡宮が八幡神、ほかの7社は熊野権現。
普天満宮の基本情報
所在地は米軍基地の普天間飛行場とキャンプ瑞慶覧 (キャンプ・フォスター)の狭間にある普天間。鍾乳洞の拝観や米軍キャンプと隣接している点では、金武宮(金武観音寺)と似ています。
普天満宮 ふてんまぐう | |
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入場料 | 無料 普天満洞穴拝観も無料 |
御朱印 | あり 初穂料300円 |
参拝時間 | 自由 社務所9:30-18:00 |
定休日 | なし |
住所 | 沖縄県宜野湾市普天間1-27-10 |
電話番号 | 098-892-3344 |
公式HP | futenmagu.or.jp |
駐車場 | 約80台 |
所要時間 | 約50分 |
祭神 | 伊弉冉尊 いざなみのみこと 速玉男命 はやたまのおのみこと 事解男命 ことさかのおのみこと 天照大御神 あまてらすおおみかみ 家都御子神 けつみこのかみ 琉球古神道神 ・日の神 ・竜宮神(ニライカナイ神) ・普天満女神(グジー神) ・天神、地神、海神 |
ご利益 | 国家安泰・勝運・健康・五穀豊穣・子宝・安産守護・恋愛成就・夫婦円満・子孫繁栄・社運隆昌・成長発展・病気平癒・厄除け・縁結び・悪縁切り・学問・合格 |
別当寺 | 普天満山神宮寺(公式サイト) |
ご利益は主祭神のもの
最寄りのバス停
「普天間」…徒歩3分
「普天間入口」…徒歩7分
別称は普天満権現。
普天間にあった洞窟に琉球古神道神を祀ったことに始まり、1450年~1460年頃には熊野権現を合祀。1590年には普天満権現と呼ばれていました。当時は現在の和歌山県にある飛瀧神社に見立てて信仰されていたようです。
現在の正式な社名は普天満宮ですが、普天満権現のほかに、普天間宮と示されることもあります。
御由緒 書き写し (Skipする)
当宮は別称普天満権現ともいい、琉球八社の一つである。
創建については往昔、普天間の洞窟に琉球古神道神を祀ったことに始まり、尚金福王から尚泰久王の頃(1450~60年) 熊野権現を合祀したと伝えられている。現存する古い記録には「普天満権現」碑(1590年)がある。
琉球神道記(1605年)琉球国由来記(1713年)琉球国旧記(1731年)にも当宮関係が記載されている。前記の琉球神道記には當國大社七處アリ六處ハ倭ノ熊野権現ナリ一處八八幡大菩薩也」又「普天満権現の事」については「濫觴亦知ラス、熊野ノ飛瀧ト見ユ東二當リテ瀑布アリ、其水霊也・・・・」 と、祭神のことが記されている。
尚、普天満宮は熊野那智(飛瀧)に末吉宮を熊野新宮に、 識名宮を熊野本宮に見立てて信仰されていたようである。
さらに、近世沖縄における熊野三山いわゆる権現信仰は琉球八社の内の七社はもとより、その分社、あるいはビジュル・観音・霊石信仰とも習合しながら県内広域に伝播し、拝所としても数多くある。
当宮の縁起伝承には首里桃原に女神が出現され、後に普天間の洞窟に籠られた。さらにその後、洞窟より仙人が現れ「我は熊野権現なり」御神威弥高に示された。又、中城間切安谷屋村の百姓夫婦や美里間切東恩納村の「当ノ屋(屋号)」に黄金(神徳)を授け苦難をすくったという伝承があり、「当ノ屋」ではそのお礼参りが続いている。
旧暦9月は普天満参詣と称され、かつては中山王の御参詣をはじめ、ノロ、一般の人々が各地より参集し礼拝の誠を捧げた。王様の参詣道が昭和七年に国指定天然記念物 「宜野湾並松」として指定されたが戦災と戦後の松食の被害を受け消失した。
洞窟は、全長280メートルあり、洞窟の形成規模等からして地域の地形地史を知るうえでも貴重なものである。洞穴及び東洞口付近は遺跡となっており沖縄貝塚時代前期後半以後(約3000年前)の遺物が多数発掘されている。又、約2万年前の琉球鹿、琉球昔キョン、イノシシなどの化石も発見され「普天満宮洞穴」は平成3年8月1日付で、宜野湾市文化財「名勝」に指定される。
※一部漢数字を英数字に変換
普天満宮の駐車場
車で行く場合、突然普天満宮が現れます。横断歩道に歩行者がいないか目視を忘れずに。
駐車場は鳥居の右横にある道に入ります。
車1台分の道幅。出てくる車も多く、カーブミラーを見ながら徐行します。
最初にあるのが第一駐車場です。
車のおはらい専用が4台、隣りに思いやり駐車場(車椅子マーク)が1台。
その先が一般の参拝者用で、6台分の駐車スペースがあります。
第一駐車場が埋まっていたら、そのまま進んで第二駐車場に行きます。
第二駐車場は広くて駐めやすい。
さらに奥にも広い駐車場があり、全部で80台ほど駐められるそうです。特別なイベントでもない限り、駐車場の心配はいりません。
12月31日~1月3日は閉鎖されますが、少し離れたJAの駐車場が無料開放され、シャトルバスで無料送迎してくれます。大晦日~正月の参拝は、普天満宮の公式サイトで確認を。
トイレと喫煙所
駐車場のトイレ。
屋根が沖縄。中は綺麗でした。トイレは境内にもあります。
喫煙コーナーもすぐ近くに。
運転の注意点
那覇や宜野湾市方面から国道330号線でアクセスする場合、左レーンを走行しないとハマります。
普天間の交差点は左折か右折ですが、左レーンも右折可能です。交差点のすぐ先が普天満宮なので、右レーンにいると入れません。
右折レーンにいてグルっと1周しました
また、330号線を北から来る場合、普天間交差点ではUターンできません。ナビでUターンを指示する場合があるのでご注意ください。
高速道路の最寄りICは「北中越IC」です。
普天満宮に着いたら現在の時間を確認する
普天満宮に到着して最初にすることは時間の確認。
時間次第で、御朱印と奥宮(普天満洞穴)拝観の順番を決めます。
奥宮(普天満洞穴)拝観時間
毎時10分、30分、50分にスタート
9:50、10:10、10:30・・・17:10(最終)
ツアーではないのでガイドはつきません。参加方法などの詳細は後ほど紹介します。
今は地上に本殿がありますが、もともと普天満宮は洞窟内でご神体を祀っていました。その場所こそが奥宮です。ぜひとも拝観したい場所。
いそぽん家は、御朱印をいただいた直後に拝観が始まってしまい、まるまる20分待つことになりました。
普天満宮を参拝
ずっしりした鳥居と立派なしめ縄。
おもしろかったのは、鳥居の扁額 [へんがく] 。
「満」ではなく「間」。社殿の扁額は「満」です。公式サイトのブログには、
よく間違えられますが、正しくは普天満宮です。
普天満宮公式サイト「普天間宮!? 普天満宮!?」より
住所や地名は宜野湾市普天間なので、普天間宮と誤解されがちですが。
普天満宮(ふてんまぐう)をよろしくお願いします!
でも鳥居は普天間宮。不思議です。
手水舎。
向かい側に、柄杓を使わない手水舎もありました。
ご時世にぴったり。作法が簡素なので、正月あるあるの手水舎渋滞の緩和にもなりそうです。ポイントは先に一礼すること。
拝殿前の狛犬。
失礼だけれども、かわいい。後ろから見るともっとかわいいです。
参拝方法は二礼二拍手一礼
戦後に再建された社殿は、シロアリ被害に遭い2005年に建て替えられました。あえて古さを残しつつ、境内は綺麗に整備されています。
絵馬掛所もきっちり。神職さんや巫女さんの努力の賜物だと思います。
トイレ
昔の木造校舎のような建物の1階にトイレがあります。清掃がしっかりしていて清潔感がありました。おそらく琉球八社で1番きれいだと思います。
御朱印の拝受方法
普天満宮の御朱印は社務所でいただけますが、拝殿の横にある授与所ではありません。社務所はもう少し奥にあります。
インターホンを押すと神職さんが応対してくれます。
受付は階段の先。
初穂料は300円です。
丁寧に書いてくださるので、3分ほど待機。参拝者が多いのか、隣りに待合室がありました。
御朱印帳の初穂料は1,500円です。
普天満宮奥宮(洞穴)の拝観手順
拝観料は無料です。
普天満奥宮(洞穴)拝観時間
毎時10分、30分、50分にスタート
9:50、10:10、10:30・・・17:10(最終)
ガイドはつきません
奥宮拝観の手順
- 申込所で名前を記入して待つ
- 時間になると巫女さんが名前を呼んでくれる
- 洞穴の入口に案内され、注意点をきく
- 入口の鍵を開錠して自由に拝観
巫女さんは中に入りません - 自分のタイミングで外に出る
時間制限は言われませんでしたが、次のグループのことを考えて、20分以内に出るのがマナーかと。
洞穴内を案内してくれる人はいないので、先に説明を見ておくとより楽しめます。外で掲示板を読んでもなかなか頭に入ってきません。先に読んでおけばよかったと後悔しています。
掲示板の写し
琉球石灰岩層に形成された全長およそ280メートルの横穴洞穴で、主洞口を東にして西方向へ延びている。洞穴の開口部は二か所にあり、主洞口は石灰岩の崖の中腹、他の一つは洞壁が崩壊してできたものである。
洞穴の内部は、途中二か所ほど天井も低く幅も狭いところがあるが、平均して天井の高さは4~6メートル、幅は1~3メートルあり、充分立って歩ける広さである。洞内には、広い場所が三か所ある。その一つは、奥宮 [おくみや] になり、広場のうち最も大きく幅15メートル、天井の高さ6メートルである。他の一つは、奥宮からおよそ80メートル奥の所である。そこにはつらら石や石筍 [せきじゅん] がよく発達し、また広場の真中には幅4メートルほどの石柱があり、これが洞穴全体を支えているかのようである。
洞穴の入り口に近いところの洞壁には、連続している三つの細長い溝のようなものが見られる。これは洞穴ノッチである。つまり、洞穴の中を流れる水によって侵食されてできたものである。これが洞壁の高さの異なる地点にあるということは、洞穴内の水位が次第に下がるなど何らかの地殻変動があったことを物語る科学上の重要な証拠である。
また、洞穴の入口付近には、数万年前に絶滅したシカ類を含む厚い化石層がある。化石は、リュウキュウジカやリュウキュウムカシキョンで、200頭以上も発掘されている。化石は洞内にも散在し、さらに、土器も発見され遺跡にもなっている。
- つらら石・石筍・石柱…鍾乳石の形。トラベルマガジンのイラストが分かりやすい
- リュウキュウムカシキョン(琉球昔キョン)…鹿の一種
拝観申込の手順
祈願控所(参集殿)の中で申し込みします。授与所や社務所ではありません。
控所に入った左奥に「奥宮拝観申込所」があります。
「携帯電話使用禁止」「飲食禁止」「撮影禁止」
申込書に記入したら、時間がくるのを待つだけ。
記載する内容は「代表者の名前(ひらがな)」「住所(都道府県、市区町村まででOK)」「人数」です。
このときは、書くだけでいいのかなぁと不安になりましたが、これだけで大丈夫でした。飲食店によくある順番待ちと同じですね。
20人くらい座れる椅子あり。
壁側では普天満宮の由緒縁起を紹介。絵だけ見てもおもしろいです。
控所内にも手水舎。祈願前のお清めに。
奥宮拝観の前にもう一度お清めするのもいいですね。
時間になると、授与所から巫女さんが出てきて、申込書に書かれた名前を呼んでくれます。この時点で名前を書いていないと、また20分待たないといけません。
普天満宮で撮った中で1番好きな写真。
閉ざされた洞窟の扉を開けようとしている巫女さんがドラマチック。個人的にはまだ開いていないのがポイントです。
写真を撮れるのはここまで。
以前は洞穴内も撮影できたようですが、今は禁止になっています。
かつてご神体が祀られていた場所。
琉球八社では、金武宮が鍾乳洞自体をご神体としています。普天満宮奥宮は社殿があってゾクッとしました。
全長280メートルの洞窟のうち、一般公開されているのは約50メートル。2往復しました。
沖縄の鍾乳洞は、おきなわワールド、CAVEOKINAWA、金武宮を見てきましたが、どれも特徴があって興味深いです。奥宮は公開されている範囲は狭いものの、ユニークな形の鍾乳石が詰まっていて、じっくり見だしたら20分では足りないくらいでした。
奥宮(普天満洞穴)拝観は、祭儀で時間が変更になることがあります。参拝前に普天満宮公式サイトの新着情報を確認しておきましょう。
最後に
参拝者が多い神社ということも手伝ってか、普天満宮は改築や修繕が行き届いている神社でした。
かといって建物の外見だけに手を入れているわけではなく、清掃や整理整頓など、毎日の積み重ねでしか表現できない「内側の美しさ」も見てとれます。
奥宮は必見中の必見。また普天満宮に行けるなら、次回も拝観します。
近隣にあるスポットは、普天満宮のすぐ隣りに別当寺の普天満山神宮寺があります。普天満宮同様に綺麗に保たれた境内で、500年以上も地域に愛されているお寺です。
歩道橋で330号線を渡った先には、沖縄の人気グルメ「キングタコス普天間店」があります。テイクアウトできるので、お腹が空いていたらぜひ。
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