オフィス街でありながら、歴史を現世に伝える街でもあるホノルル・ダウンタウン。その中でもメジャーな観光スポットに挙げられるのがイオラニ宮殿(イオラニパレス)です。場所はダウンタウンの中心部。目の前にはカメハメハ大王像があり、絶え間なく観光客が訪れます。
イオラニ宮殿の見どころは、大まかに分けると庭園と宮殿内部の2つ。宮殿内部は有料のツアーに参加しないと入れませんが、庭園は無料で散策できます。
歴史に興味がある人はもちろん、僕のように「ただ王族の遺産を見たい」とか「王国時代の雰囲気を感じたい」そんな軽い興味でも大丈夫。
今回はイオラニ宮殿の庭園(無料エリア)と宮殿内部の両方を紹介します。
初ハワイ&初海外におすすめの本
ハワイ旅行に必要な基本情報や準備、店舗情報を1冊に集約。圧倒的な情報量です。いそぽん家も初ハワイでお世話になりました。
イオラニ宮殿とは
Iolani Palace
イオラニ宮殿は、アメリカの文化遺産として『国定歴史建造物』に指定されています。1893年のハワイ王朝の最後を見届けた宮殿で、宮殿内には王朝の栄枯盛衰を感じる貴重な遺産のが展示されています。
イオラニ宮殿の前にあったのは、1845年に建てられたカメハメハ3世の公邸。『ハレ・アリイ(王族の家)』と呼ばれた公邸は、カメハメハ5世によって『イオラニ(王室の鷹)』と名を変えます。
初代イオラニは1874年に解体。その後、1882年にハワイ王朝第7代国王『カラカウア王』が同じ地に新イオラニ宮殿を建造します。新イオラニ宮殿は、カラカウア王とカピオラニ妃の住居であり、公務を執り行う場でもありました。
王家と深い繋がりがあるこの地には、今も王家の墓跡が残っています。
当時、ハワイの砂糖産業は著しい発展を遂げていました。農園の労働力を確保するため、移民調査をすべく自ら世界各国を歴訪。現職の国家元首として初めて日本を訪れたのがカラカウア王です。
日本へは横浜港から入り明治天皇に謁見。ハワイへの日本人移民の受け入れを申し出て、1885年から官約移民が始まります。ハワイには既に日本人移民がいましたが、爆発的に増えたのはこの頃からです。ハワイに日系人が多く、日本の文化が見られるのは、カラカウア王のおかげともいえます。
一方で、新しいもの好きな一面もあったようです。宮殿内は、高価なインテリアや装飾品に彩られ、電気設備、ハワイ初の水洗トイレ、シャワーなど当時の最先端技術も取り入れました。王政を圧迫するほどの費用をかけたそうです。
1893年、カラカウア王の妹であるリリウオカラニ女王の代でハワイ王朝は終焉を迎えます。莫大な費用を投じたにも関わらず、イオラニ宮殿がハワイ王朝時代に使われたのはたったの11年。
王朝が倒れると、宮殿は臨時政府の庁舎となり、豪華絢爛な調度品は売り払われてしまいました。
1959年にアメリカ50番目の州となると、世界中に散らばった調度品の回収が始まります。しかし、戻ってきたのは6割ほど。それが現在のイオラニ宮殿の内部に展示されています。
補足
ハワイ州には3つの宮殿があります。宮殿と聞いて想像する姿に近いのはイオラニ宮殿。他の2つはもともと別荘として建てられたものでした。
ハワイ州3つの宮殿(上から古い順)1
- フリヘエ宮殿/ハワイ島コナ
- エマ女王の夏の離宮(ハーナイアカマラマ)
オアフ島ヌウアヌ渓谷 - イオラニ宮殿/オアフ島ホノルル
庭園の見どころ(予約不要・入場無料)
宮殿内部の見学以外は予約も入場料もいりません。営業時間内は自由に散策できます。
ハワイ王朝時代の紋章
Coat of Arms
イオラニ宮殿には4つの門があり、それぞれにカメハメハ3世によって作られたハワイ王朝時代の紋章<コート・オブ・アーム>が掲げられています。どの門からでも入れますが、おすすめは宮殿の正面にあたるサウス・キング・ストリート側。カメハメハ大王像がある通りです。1番写真映えするし、王朝時代も来客用の門として使われていました。
売店で紋章のレプリカを購入することができます。
4つの門の使われ方2
- サウス・キング・ストリート側
名称:カウイケアオウリ・ゲート
王族、政府高官、冠婚葬祭、来客用 - リチャーズ・ストリート側
名称:キナウ・ゲート
ビジネスマンや商人用 - ハワイ州庁舎との間
ハカレレポニ・ゲート
王室のスタッフ、家臣、近衛兵用 - リケリケストリート側
名称:リケリケ・ゲート
王室が私的に利用
イオラニ宮殿の外観
世界の有名な宮殿と比べると小ぶりですが、左右対称で美しく、表と裏が同じデザインになっているのは見どころです。
また正面2階の右側の部屋に目を向けると、リリウオカラニ女王が幽閉されていた当時の目隠しを見ることができます。
カラカウア王生誕祭は特別な装いに
11月16日のカラカウア王の誕生日を祝して、11月中旬から下旬にかけて旗が掲げられます。宮殿の正面は、大きなハワイ州旗とハワイの紋章が入ったカラカウア王の旗で盛大に飾られていました。
この時期にハワイへ旅行するなら、イオラニ宮殿に足を運んでみましょう。特別な装いを見ることができます。
11月下旬は提灯デコレーション
車窓でしか見たことがないですが、11月下旬には宮殿と庭園を囲むように提灯がぶら下げられます。実際に、宮殿に電球が導入された当時も提灯を使って宮殿を飾っていたとのこと。12月いっぱい見られるそうです。
ケリポニ・ヘイル -戴冠式パビリオン-
THE CORONATION PAVILION
サウス・キング・ストリート側の門(カウイケアオウリ・ゲート)から入って左側を見ると、八角形のかわいらしい建物があります。ケリポニ・ヘイル<KELIIPONI HALE>と名付けられたパビリオンで、1883年2月12日のカラカウア王とカピオラニ女王の戴冠式のために建造されました。
ハワイ州知事の就任式もここで行われたそうです。
現在の姿は一部の部材を残して1919年に建て替えられたものです。
ステージの下に部屋のようなものがあり短い階段がありました。中を見ることはできませんが、戦時中にシェルターとして使えるように増設されたそうです。そのため、木造だったパビリオンはコンクリート製に変わりました。
毎週金曜日の12時から13時の間、パビリオンの近くで演奏会が行われます。カメハメハ3世によって1836年に設立された由緒正しいロイヤル・ハワイアン・バンドの演奏です。
スケジュールが合えばぜひ!
【公式サイト】
戴冠式パビリオンの前に、大きくて太い木があります。生命力を感じずにはいられません。
ハレコア -イオラニ・バラックス-
Hale Koa: Iolani Barracks
ハワイ語でハレコアと呼ぶ『イオラニ・バラックス』<Iolani Barracks>は、イオラニ宮殿の兵舎として作られ、王室衛兵の住居として使われた施設です。竣工当時はハワイ州庁舎の敷地内(イオラニ宮殿の裏側)にありましたが、1965年に解体し、現在の場所に移築・再建されました。
外壁はサンゴ礁のブロックでできており、独特な形が新鮮です。
入口を抜けると中庭があり、周りを複数の部屋が囲む構造。かつてこれらの部屋は、厨房、食堂、寝室、診療室などに使われていましたが、現在は、チケットオフィス、パレスショップ(売店)、ビデオシアター、トイレになっています。
古い井戸の跡
宮殿裏からハワイ州庁舎に続く道の左側に、1883年に掘られた井戸の跡があります。今は使われていません。水は出たものの、出過ぎてイオラニ宮殿の庭が水浸しになったとか。
井戸の上に作られた噴水に植物が芽生えているのが何とも可愛かったです。
バニヤンツリー
Banyan Tree Terrace
宮殿裏からハワイ州庁舎に続く道の右側、バニヤンツリー(ベンガル菩提樹)が作るテラスでひと休み。木陰は涼しくて人が集まります。バニヤンツリーの下は駐車場としても人気。
このバニヤンツリーは、カラカウア王の妻であるカピオラニ王妃が植樹したと言われていますが、真相は不明です。
キャプテン・クックの記念碑とリロア王の石
イオラニ宮殿を正面に見て右に、1906年に建設されたカナイナ・ビル<KANAINA BUILDING>があります。ここは現在、フレンズ・オブ・イオラニパレスの管理事務所になっていて、観光する建物ではありませんが、入口の前にキャプテン・クックの記念碑、リロア王の石が置かれています。
僕たちはこの存在を知らず、見落としていました。
イギリスの海軍士官キャプテン・ジェームス・クックは、ハワイ諸島を発見した最初の西洋人で、カメハメハに大きな影響を与えた人物です。
その記念碑の前に置かれているのがリロア王の石。リロア王は15世紀のハワイ島の王で、この石を神聖な石として玄関の敷居として使っていました。カラカウア王はわざわざこの石をハワイ島から運び、自宅に置いていたほどです。後にリロア王の石はイオラニの庭に移され、現在に至ります。
石の上に立ったり、踏んだりすることは許されないのでご注意を。
王家の墓跡
THE SACRED MOUND
カメハメハ2世など18人の王族が埋葬されていたお墓の跡。窮屈になったため、遺骨は1865年にヌウアヌに建設されたマウナ・アラ(ロイヤル・モザリウム)に移されました。周囲は鉄柵とティーリーフで囲まれており、今も聖域として大事に守られています。中に入ることは許されていません。
王家の墓跡のとなりに、大きな傘を広げたモンキーポッドが植えられています。まるでお墓を守っているようで、優しい気持ちになりました。
イオラニ宮殿の中へ(要予約・有料)
イオラニ宮殿の隣りあるイオラニ・バラックスでチェックイン。建物内にチェックインカウンターがあります。直接宮殿に行っても中には入れません。
チェックインの時間はツアー開始の30分前です。
チェックインが済むとシールを渡されます。胸や腕など目視しやすい場所に貼っておきましょう。
集合場所はイオラニ宮殿の裏。集合時間はツアー開始の5分前です。
※チェックインは30分前です!
集合時間までは自由行動。イオラニ・バラックス内のトイレで用を済ませておきましょう。トイレは地下ギャラリーにもありますが、宮殿の1階と2階にはありません。
残りの時間で庭園を散策してもいいし、先に地下ギャラリーに行くのもあり。ただ、地下ギャラリーはツアー後の方が理解が深まると思います。
売店での買い物はツアー後がおすすめ。宮殿内では荷物が展示品に当たらないように体の前に持っていないといけないので、先に買うと邪魔になります。
時間になるとスタッフから声が掛かります。階段を上がると椅子があり、ツアー中の注意事項を聞きます。
宮殿内は土足厳禁です。宮殿側が用意したシューズカバーを借りて靴の上から装着。
オーディオツアーはタブレットとヘッドホンを受け取り、タブレット画面に表示される順路に沿って見学します。ガイド付きツアーはガイドさんの案内に従います。
イオラニ宮殿1階(公務エリア)
裏口から中に入り正面へと進むと、嫌でも木製の美しい階段に目を惹かれます。この階段は、ハワイ固有種の木『コアウッド』で造られた宮殿のシンボル。重厚で歴史を感じる一方で、近代的なスマートさとデザイン性も兼ね備えています。
コアウッドは神聖な木とされていて、かつては王族しか手にできませんでした。現在は一般人も手にできますが、絶滅の危機のため伐採は制限され、高価な素材となっています。
両側の壁には、イギリスやインド、日本、フランスなど世界各国から贈られた数々の美しい調度品。歴代のハワイの王と王妃の肖像画を見ると、宮殿らしさを感じます。
宮殿の1階は客人のもてなしや公務、2階は王と王妃のプライベートエリアとして使われたそうで、コアウッドの階段が公私の境界となっていました。
王座の間(スローン・ルーム)
大階段の右にある部屋は王座の間。まるで映画のセットのようです。
イオラニ宮殿で最も華やかな部屋で、カラカウア王や王族たちは、ゲストを招いて生演奏やダンスパーティーを夜中まで楽しんだとか。
壁には世界各国から贈られた勲章が飾られ、天井からは豪華な6つのシャンデリア(当時の物)が優しい光を灯しています。
カーペットはレプリカですが、オリジナルの一部から精巧に再現されていて、当時の様子そのままと言えるものです。
部屋の奥に並んでいるのは、カラカウア王とカピオラニ王妃のために作られた王座。でも、ゲストの前で座ることはせず、多くの人と交流を持とうとしていたそうです。
繁栄の象徴にも見える王座の間ですが、王家にとって暗い歴史の場でもあります。カラカウア王の後を継いだ妹のリリウオカラニ女王が裁判で有罪を宣告されたのもこの部屋です。そんな歴史的背景を知ると、この部屋が儚くも見えます。
1893年ハワイ王国崩壊後、カラカウア王朝も滅びました。さらに2年後、王政支持派のクーデターが起き、その首謀者と疑われたリリウオカラニ女王は逮捕されてしまいました。事実は女王本人の謀反ではありませんでしたが、血を流す戦いを避ける為、女王は自ら逮捕され、かつて栄華を極めた王座の間で裁判を受け、反乱に加担した罪で5年間の重労働と5000ドルの罰金が課せられ、宮殿内2階に幽閉されました。
出典:アロハプログラム3
青の間(ブルー・ルーム)
王座の間を出て、次に向かったのは大階段の左にある青の間(ブルー・ルーム)。小規模なレセプション、王との謁見、食事前のティータイムに使われた部屋です。入った瞬間に目に飛び込んでくる鮮烈な青。青色が好きな僕が興奮してしまうくらい青だらけでした。
見どころは、金色の額縁に飾られたカラカウア王とリリウオカラニ女王の肖像画、リリウオカラニ女王が愛用したローズウッドのピアノです。
正餐の間(ステート・ダイニング・ルーム)
青の間の隣りの部屋は正餐(せいさん)の間。世界から招待したゲストと食事を共にした部屋です。ここで出される食事は地下の厨房で調理され、食事用のエレベーターで運ばれていました。
印象は青の間とは対照的。赤色のカーテンと茶色のローズウッド、それに7つある大きな窓から入る光が温もりを感じます。
テーブルには上品で高級そうな食器が並べられています。客人を大切に”おもてなし”していたのでしょう。人を尊重し、コミュニケーション能力に長けていた王だからこそ、ホワイトハウスよりも早く電球を完備できたのかもしれません。
正餐の間と大階段の間にある小部屋に、ハワイ初の水洗トイレがあります。お見逃しなく!
※使用はできません
イオラニ宮殿2階(プライベートエリア)
2階にはエレベーターで移動します。コアウッド製の大きな階段は、特別な日または特別なツアーでしか利用できません。
女王の寝室(クイーンズ・ベッドルーム)
まずは赤を多くあしらったカピオラニ王妃の寝室へ。カピオラニ王妃はカラカウア王の妻です。
赤は情熱的で攻撃的な色。尖った雰囲気になりそうなのに不思議と柔らかい。よく見ていると、調度品は丸みのあるものばかりで揃えられていました。
この部屋には、カピオラニ王妃とリリウオカラニ女王の写真も飾られています。
ベッドも赤が基調。ベッドに掛けられたキルトと枕カバーには、ハワイ語で「KULIA I KA NU’U」と刻まれています。日本語に直訳すると「頂上に立つまで努力する」。「継続は力なり」とか「初志貫徹」といった意味でしょうか。常に最善を尽くそうとするカピオラニ女王の志が刻まれています。
カラカウア王の寝室(キングス・ベッドルーム)
カラカウア王の寝室は全体的に青色が多く、カピオラニ王妃の部屋とは対照的です。
世界を駆け巡った王ならではの部屋。アメリカやハワイはもちろん、アジアやヨーロッパで集めた家具が置かれていました。カラカウア王のセンスの良さを随所に見ることができます。
改めて、「王様が過ごした部屋を見られるなんて貴重な1日だなぁ」と思いました。
ベッドに掛かったキルトはレプリカです。オリジナルは経年劣化してしまい、ほぼ完璧に再現されたものが展示されています。
王の執務室(キングス・ライブラリー)
寝室の隣りの部屋は、カラカウア王が多くの時間を過ごした執務室。整然とした部屋の中、机の上には書物や書類が置かれています。ついさっきまで仕事をしていたかのよう。
壁には、交流のあったイギリス首相の肖像画や、世界を周った時の写真が飾られていました。外交で訪日した時の写真も残っています。世界に強い関心を抱いていた王は、ハワイ語はもちろん、英語やフランス語も堪能だったそうです。
執務室の扉の横に、当時とても珍しかった電話があります。展示されているのはレプリカですが、これがホノルル初の電話機。カラカウア王の”世界の新しいもの好き”な性格そのもの。スマホ片手にこの電話を見ると、140年の進化に驚くはずです。
黄金の音楽室(ミュージック・ルーム)
執務室の隣りは、黄金の間と呼ばれる音楽室。王室の人達が作曲や演奏を楽しんだ部屋です。
後世に残したとくに有名な作品はこの2つ
- ハワイ・ポノイ(ハワイ州の州歌) 作詞:カラカウア王
- アロハ・オエ 作詞作曲:リリウオカラニ女王
アロハ・オエはハワイ好きかどうか関係なく、1度は耳にしたことがあると思います。リリウオカラニ作であることは間違いありませんが、いつ完成したかは分かっていません。一説では、イオラニ宮殿に幽閉されいる期間に、既に完成していた詩に曲をつけたと言われていて、中央のソファーにアロハ・オエの楽譜が飾られています。
のんびり穏やかな曲調ですが、実は愛する人との切ない別れの歌です。
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幽閉の間(インプリズンメント・ルーム)
宮殿内ツアー最後の部屋は幽閉の間。リリウオカラニ女王が8か月間幽閉された部屋です。5つある大きな窓はすべて下半分に目隠しが施されています。隣りの小さな部屋も同様で、リリウオカラニが行動できる範囲内は、外部と連絡ができないようにされていました。女性の同伴者1人を除いて、訪問者と会うことも許されていなかったそうです。
目隠しされた異様な光景は、宮殿の外からの方が鮮明に分かります。
幽閉されている間、リリウオカラニ女王はパッチワークキルト(クレイジーキルト)に取り組みます。外に出られない女王がキルトの素材に使ったのは、自身のドレスやヘッドバンド。素材だけでなく大きさもバラバラで、クレイジーキルトと呼ぶ方がピンときます。
どのようなメッセージが込められているのかはよく分かりません。見どころは、9マスの中央にあるキルト。女王が生まれた日、王位を継承した日、幽閉された日が刺繍されています。
ちなみに、リリウオカラニが解放されたときは未完成でした。彼女の意志を継ぐ人たちによって完成されたそうです。
華やかさが際立つイオラニ宮殿。この部屋だけは少し物悲しい雰囲気が漂っていました。幽閉中にできたことは、祈り、楽譜を読む、キルティングくらいだったそうです。
幽閉の間の隣りにはシャワーがありました。当時、お湯と水が出るシャワーは珍しかったそう。これも見どころの1つです。
地下ギャラリー
地下ギャラリーは、当時のキッチンや食器類、勲章や宝物、宮殿の修復資料、執事室などを見ることができます。一部のツアーを除いて、ガイドはギャラリーには同行しません。
中に入るときは、スタッフにツアーのシールを見せます。
ギャラリーには、ハワイ王朝時代の勲章や宝石の数々が展示されていました。当時使われていた食器や家具を見ながらイメージを膨らますのが楽しい。宮殿修復の様子やハワイの歴史を眺めるのもおもしろかったです。
地下ギャラリーには小さな売店があって、おみやげを購入することができます。
イオラニ宮殿ツアーの種類
宮殿内部の見学はツアーへの申し込みが必須。公式サイトによると、チケット販売はオンラインのみで、予約なし(ウォークイン)や当日予約は不可と書かれています。※2024年1月時点
イオラニ宮殿は日・月が定休日です。
【予約方法】オンラインまたは電話(英語)
電話 808-522-0832 月~土 08:30~16:00
ツアーには地下ギャラリーへの入場も含まれています。地下ギャラリーの所要時間は30分くらいを予定しましょう。
日本語のツアー
日本人に人気があるツアーは次の3つ。15分ごとに予約枠のあるオーディオツアーに参加する人が多いようです。
- オーディオツアー(日本語)
- 日本語ガイド付きツアー
- ハワイと日本のロイヤル・コネクション
※10名以上のグループは4週間以上前に予約
オーディオツアー(日本語)
Audio Tours
テレビのリモコンサイズの端末を借りて、録音された音声ガイドを聞きながら、自分のペースで宮殿内を散策できます。1階と2階が平面図で表示され、見学する順番も案内。該当箇所で詳細ボタンをタッチすると、その部屋の画像とともに解説が流れます。日本語を含む9か国語あり。
09:00-15:30 15分ごと
録音時間60分
18歳~ $26.95 | 13~17歳 $21.95 | 5~12歳 $11.95 | 0~4歳 無料 |
日本語ガイド付きツアー
Japanese Language Docent-Led Tour
イオラニ宮殿のドーセント(ガイド)資格をもつボランティアが案内。宮殿の完成からハワイ王政の最後まで歴史を詳しく学べます。宮殿内では大きな声を出せないため、なるべくドーセントの近くに立つのがポイント。当日中止になることもあり、その際はオーディオツアーになります。
15:30
約60分 最大20名
18歳~ $32.95 | 13~17歳 $29.95 | 5~12歳 $14.95 | 0~4歳 無料 |
ハワイと日本のロイヤルコネクション
Hawaii’s Royal Connection To Japan
英語ツアーの人気を受けて、2023年7月から日本語版が始まりました。
ハワイ王国が日本と関係を築こうとした理由、カラカウア王の日本訪問など興味深い話を聞けるツアー。立ち入り禁止エリアへの入場を許され、貴重な品物を間近に見ることができます。
13:15
約60分 最大6名
日本語ツアーは希望日の72時間前までに予約
18歳以上 $77.95 | 17歳以下 $51.95 |
その他 英語ツアー
Fashion Fit for Royalty Tour
19世紀の王家ファッションに焦点を当てたツアー。貴重な品を間近で鑑賞。記念品つき。
15:00
約60分/最大6名
Chamberlain’s Tour
王と女王に仕えたチェンバレン(侍従)と宮殿スタッフ目線のツアー。チェンバレンの部屋への入室が許可され、執務や王室の逸話を学習。記念品つき。
15:00
約60分/最大6名
Hawaii’s Royal Connection to Japan Tour
ハワイと日本のロイヤルコネクションツアーの英語版。
13:00
約60分/最大6名
White Glove Tour
一般のツアーでは近づけない貴重品を間近で見られるツアー。一般公開されていない貴重品を解説付きで鑑賞。屋根裏の倉庫も見学。
14:30
約90分/最大4名
Kalākaua Legacy Tour
メリー・モナーク(陽気な君主)と呼ばれたカラカウア王の生涯と遺産にスポットをあてたツアー。キリスト教の宣教師によって封じられていたフラの復活、初めて訪日した外国の国家元首など、偉大な王に迫る。
15:45
約90分/最大6名
Royal Legacy Tour
$650の最高級プライベートツアー。通常は入れないエリアに入り、貴重な工芸品などを鑑賞。宮殿のおみやげが入ったギフトバッグ、その他特典つき。
電話予約のみ 日程は相談
約90分/最大4名
予約ページを英語→日本語に変換
予約ページはブラウザの翻訳機能では日本語に変換されません。日本語にするには、画面下(現在は画面上)で言語を日本語にします。
1.
BOOK A TOUR
を選択
2.
画面最下部へ
3.
More options
を選択
4.
日本語
を選択
『カアマイナ』はハワイ在住者、『ミリタリー』は軍人のことです。
オンラインの支払方法はクレジットカードのみ。JCBカードはオーディオツアーで優待割引があります。
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自宅で宮殿内部を見る方法
「宮殿内に興味があるのにツアーには参加できそうもない」
それなら、せめて見るだけで楽しんでみてはいかがでしょうか。解説はないですが、結構楽しめると思います。ツアーの予習にもいいかもしれません。
一般的なツアーでは近づけない場所や調度品を近くで見られて面白いです。僕は思い出しながら見て楽しんでいます。
check!イオラニ宮殿3Dバーチャル ウォークスルー
アクセス
ザ・バス
ザ・バスのルートと時間は、Google Mapsのルート検索と専用アプリDaBus2で調べるのが確実。いそぽん家もこの2つで調べてからザ・バスを利用しています。
【イオラニ宮殿最寄りのバス停】
- S Hotel St + Alakea St
バス停ID:46
イオラニバラックスの近く - S Beretania St + Punchbowl St
バス停ID:45
ハワイ州庁舎から行くなら
ワイキキからの乗車時間は30分ほどです。
【ワイキキに戻るバス停】
- S King St + Punchbowl St
バス停ID:131
カメハメハ大王像の近く - S Hotel St + Richards St
バス停ID:130
イオラニバラックスの近く
トロリー
● JTB HiBus(ハイバス)
ダウンタウンルート(約60分間隔)
カメハメハ大王像またはハワイ州庁舎下車
● H.I.S. LeaLeaトロリー
マラマライン(約130分間隔)
カメハメハ大王像またはハワイ州庁舎下車
● ワイキキトロリー Waikiki Trolley
レッドライン(60分間隔)
カメハメハ大王像/イオラニ宮殿下車
レンタカー&駐車場
敷地内に有料駐車場があります。駐車場内は一方通行になっていて、入口と出口が違います。
【駐車料金・前払い】
- 1時間─2ドル
- 2時間─4ドル
- 3時間─8ドル
- 4時間─12ドル
※長時間になると割高
※お釣りは出ません
【駐車場入口】
リケリケ・ストリート側の門
【駐車場出口】
リチャーズ・ストリート側の門
リケリケ・ストリートに入る道は見落としがち。サウス・キング・ストリートは左車線を走り、イオラニ宮殿正面の門を越えたら、1つ目の左に入る道(信号より手前)がリケリケストリートです。小さくPマークの看板があります。
【駐車方法】
リケリケ・ストリートから門に入ると、右側に駐車スペースが続いています。RESTRICTEDと書かれたスペースは関係者専用なので駐車しないように注意。宮殿の裏側に駐める人が多いと思います。
車を停めたら駐車料金を支払機で払います。以前はパーキングメーターがありましたが、現在はありません。イオラニ宮殿敷地内の駐車スペースに「PAY AT PAY STATION」と書かれた案内板が立っているので、矢印の方に歩いて行くと支払機があります。
案内板が見つからなかったら、宮殿の裏側に行き、階段の前で後ろ(ハワイ州庁舎側)に振り向いてください。「PAY HERE」と書かれた看板が見えるはずです。
【支払機の操作】
- 駐車時間を選択
- 支払い(現金またはクレジットカード)
- 発券されたチケットを車のダッシュボードに置く
使える現金…紙幣($1/$5/$10/$20)、25セント硬貨
使えるカード…VISA&Mastercard
ツアーに参加するなら2時間以上にしておきましょう。時間超過のまま駐車しているとレッカーの対象になります。
バニヤンツリーの下は木陰があって人気です。
イオラニ宮殿の駐車場が満車の場合、公式サイトでは敷地の横にあるAlii Place Parking Garageを紹介しています。この辺りは一方通行の道が多いので注意してください。
イオラニ宮殿を出てAlii Place Parking Garageに行くルート
その他
● Uber
目安:ワイキキから片道$20前後
●タクシー
目安:ワイキキから片道$20~$25
イオラニ宮殿基本情報
営業時間 | 開門時間 06:00-18:00/火~土曜 宮殿内部ツアー 09:00-16:00/火~土曜 |
定休日 | 日曜・月曜・祝祭日 祝祭日の詳細 |
住所 | 364 S King St, Honolulu, HI 96813 アメリカ合衆国 Google Map |
電話番号 | 管理オフィス 808-522-0822 チケットオフィス 808-522-0832 |
駐車場 | あり・有料 1時間2ドル 1時間単位で最長4時間 詳細に戻る |
公式HP | iolanipalace.org |
イオラニ宮殿の禁止行為
宮殿保護のため、下記の行為は禁止です。
- 展示品に触れること、荷物を当てること
※荷物は体の前で持つ - ビデオ撮影・拡大レンズの使用
- フラッシュ撮影
- ツアーガイドや音声ガイドの録音
- 三脚・一脚・自撮り棒の使用
- 大きなカバンや荷物の持ち込み
- 水着・ビーチウェアでの入場
- 差別的な表現がプリントされた衣類の着用
5歳未満のお子様連れの場合、抱っこ紐を使って大人が体の前で抱っこするか、イオラニ宮殿が用意する無料のベビーカー(台数制限あり)を使用します。自分のベビーカーは持ち込めません。
ドレスコード
ドレスコードはありません。神聖な場所を尊重した服装にしましょう。
- シャツと靴を着用(水着や裸足は禁止)
- シューズカバーの着用(カバーは宮殿が提供)
- 冒涜的、反道徳的な言葉がプリントされた服装は禁止
近くの観光スポット
イオラニ宮殿の周辺は「ハワイ州都歴史地区」と呼ばれ、カメハメハ大王像を始め多くの観光スポットがあります。
ダウンタウンは早朝や暗くなってからの散策は犯罪に巻き込まれる可能性が高くなるので、観光は明るい時間にしてください。ダウンタウンの観光は平日の昼がおすすめです。
カメハメハ大王像
King Kamehameha Statue
ハワイ王国の初代国王カメハメハ大王の像は、イオラニ宮殿の前を走るサウス・キング・ストリートを渡ったところにあります。
ハワイ史にまつわる観光なら、必ず訪れるべきスポットです。
ハワイ州最高裁判所の前で、威風堂々と立つ姿は一見の価値あり!
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リリウオカラニ女王像
Queen Lili‘uokalani Statue
ハワイ州庁舎の裏には、ハワイ王国最後の国王であり、唯一の女王「リリウオカラニ」の像があります。
左手に持つ3冊の本、頭のティアラもぜひチェック。
イオラニ宮殿の裏口とリリウオカラニ女王像の場所は繋がっているので、セットで観光するのがおすすめ。
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ハワイ州庁舎
Hawaii State Capitol
ハワイ州の政治の中心地。興味深くユニークな建物で、ハワイ州の自然を随所で表現しています。
まだ素通りでしか見ていないので、いつか内部もじっくりと見学したい場所です。
見どころは下記サイトが参考になります。
【参考サイト】
【公式サイト】
エターナル・フレーム・メモリアル
Eternal Flame Memorial
1941年12月7日の真珠湾攻撃による犠牲者と、米国軍に従事したハワイ州の男女を追悼する記念碑。1944年の建設以後、トーチには永遠に消えない炎が揺らいでいます。
ワシントン・プレイス
Washington Place
セントアンドリュー大聖堂の隣りにあるハワイ王国最後の女王『リリウオカラニ』の終の棲家。
中に入るには木曜日10:00のツアー(予約制)に参加を。日本語ツアーのリクエストは、メールで問い合わせましょう。
セントアンドリュー大聖堂
Queen Lili‘uokalani Statue
外観だけでも圧倒される頑強で重厚な大聖堂。ゴシック様式の大聖堂は、多様な文化を受け入れてきたハワイらしさを象徴しています。扉が開いていれば、ぜひ中へ。巨大なステンドグラスを見ることができます。
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【公式サイト】
ハワイ州立美術館
Capitol Modern
無料で入場できる美術館で、ハワイの現代アーティストによる芸術が展示されています。ハワイの風景や文化を表現した作品が多く、印象深い体験をすることができます。スペイン風の建物も見どころです。日曜と祝日は休館日。
公式サイトではバーチャルツアーを楽しむこともできます。
【公式サイト】
ハワイ出雲大社
Izumo Taishakyo Mission of Hawaii
1606年創建。島根県にある出雲大社の正式な分院。縁結びにご利益があるとされる。
参拝のほか、レイをかけた狛犬、しめ縄も見もの。
英語の入ったお守り、ALOHAと書かれた御朱印などハワイらしさも垣間見えます。
周辺の治安は良くないため、平日の日中に訪れるのがおすすめ。
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オアフ島の歴史を楽しんできてください!
いそぽん(@isopon11)でした。
マハロ♪
参考サイト
- ALOHA PROGRAM
https://www.aloha-program.com/curriculum/lecture/detail/564 - Hawaii 特集 2009
https://www.travelvision.co.jp/hawaii/2009/anniversary/50-1.html
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